★「高校生の子どもが学校に行きたくないと言っている」
★「朝になると動けなくなる」
★「本人も理由をうまく説明できない」
このような状況では、保護者も戸惑ってしまうでしょう。
なぜつらいのか、心や体に変化が出ていないかを確かめながら、本人に合った過ごし方や学び方を探していくことが大切です。
この記事では、高校生が「学校に行きたくない」と感じる理由から、休むときの考え方、保護者の対応、単位や進級、学校以外の選択肢まで分かりやすく紹介します。
高校生が「学校に行きたくない」と感じるのはなぜ?

友人関係がつらい
高校生活では、友達との関係が大きな負担になる場合があります。
例えば、
★仲の良い友人とのトラブル ★クラスのグループに入りづらい ★周囲に合わせることに疲れる ★誰かに嫌われないよう気を使い続ける明確ないじめが確認できなくても、人間関係による疲れが積み重なれば、教室へ向かうこと自体が大きな負担になることがあります。
勉強についていけない
高校は、中学校より学習内容が難しいものです。
授業が理解できない、課題が終わらない、テストの結果が思うように伸びないなど、勉強への不安が登校への抵抗感につながるケースもあります。
学習の遅れが気になるときは、すべてを取り戻そうとするのではなく、苦手な科目や困っている部分を整理してから相談すると進めやすくなります。
進路が不安になる
高校生になると、大学や専門学校、就職など、その先の進路を考える場面が増えてきます。
しかし、「やりたいことが分からない」「周りは進路を決めているのに自分は決まらない」と悩むこともあるでしょう。
進路が決まっていないこと自体は、失敗ではありません。
今の段階で分からないことを整理し、相談しながら選択肢を広げる方法もあります。
部活動が負担になる
部活動も、高校生が登校を負担に感じる理由の一つです。
練習時間、顧問との関係、チーム内の人間関係、成績へのプレッシャーなど、さまざまな要素が関係します。
負担の中心が部活動にあるなら、活動を休む、顧問に相談するなど、原因そのものを軽くできないか考えてみることが大切です。
心身の疲れがたまっている
「特に嫌なことはないのに学校へ行きたくない」という状態になることもあります。
毎日の小さなストレスや睡眠不足、勉強、人間関係などが重なり、自分でも気づかないうちに疲れが蓄積している可能性もあるでしょう。
「理由がないなら頑張れるはず」と決めつけず、まずは現在の疲れ具合や生活の変化を見ていくことから始めましょう。
学校に行きたくない理由が自分でも分からない場合は、無理に原因を一つに決める必要はありません。
さまざまなケースを知ることが、自分の状態を整理するきっかけになることもあります。

学校に行きたくない高校生に見られるサイン

朝起きられない
学校がある日に限って起きられない、何度声をかけても布団から出られないという場合があります。
夜更かしや睡眠不足が関係していることもありますが、それだけで「怠けている」と判断するのは適切ではありません。
睡眠時間だけでなく、朝の体調や気分、前日の過ごし方なども一緒に確認すると、状況を把握しやすくなります。
頭痛や腹痛がある
登校しようとすると頭痛や腹痛、吐き気、めまいなどを訴えることがあります。
こうした症状を「学校に行きたくないから」と決めつけることは避けましょう。
身体的な病気が隠れている可能性もあるため、症状が続いたり強くなったりする場合は医療機関への相談を検討してください。
学校へ行く前に気分が悪くなる
家を出る時間が近づくと、不安が強くなったり涙が出たりすることもあります。
休日には比較的元気なのに、登校日になると不調が目立つ場合には、学校生活に何らかの負担がないか考えてみましょう。
ただし、これだけで原因を決めることはできません。
本人の話を聞き、必要に応じて学校や専門家へ相談しましょう。
気分が落ち込む
以前と比べて元気がない、会話が減った、好きだったことにも関心を示さなくなったなどの変化にも目を向けてください。
学校へ戻すことだけに意識を向けず、本人の心の状態がどう変化しているのかを見ることも大切です。
普段と様子が違う
食事、睡眠、会話、趣味など、日常生活の変化にも注意しましょう。
一つの変化だけで深刻な状態と判断する必要はありませんが、複数の変化が続いている場合は相談を考える目安になります。
普段との違いを記録しておくと、学校や医療機関へ相談するときにも状況を伝えやすくなります。
学校に行きたくないときは休んでもいい?
無理に登校させない
強い不安や体調不良がある状態で、「とにかく行きなさい」と無理をさせることだけが正解とは限りません。
不登校への支援について「学校に登校する」という結果だけを目標にするのではなく、本人が社会的に自立することを目指す必要があります。
休むことを認めることと、今後について何も考えないことは別です。
状態を見ながら、学習や進路について少しずつ整理していきましょう。
心と体を休ませる
学校を休んだ日は、すぐに勉強を取り戻そうとするより、まず心身を落ち着かせる時間をつくることも必要です。
睡眠や食事を確保し、本人が安心して過ごせる環境を整えましょう。
疲れが強いときには、休むこと自体が必要な時間になる場合があります。
落ち着いてから次の行動を考えても遅くありません。
休むことを責めない
「また休むの?」「このままだと将来どうするの?」と責めると、本人が自分を否定されたように感じる可能性があります。
心配だからこそ言いたくなる言葉ですが、まずは気持ちを受け止めることを意識してください。
安心して気持ちを話せる状態をつくることで、本人が困っていることを伝えやすくなるでしょう。
欠席が続くときは学校に相談する
休むことを選んだとしても、学校との連絡まで途切れさせる必要はありません。
欠席が続く場合には、担任などへ現在の状況を伝え、学習や単位について確認しておきましょう。
早めに状況を共有しておけば、利用できる支援や今後の選択肢について学校側と相談しやすくなります。
体調が悪いときは受診する
頭痛、腹痛、めまい、不眠、食欲の変化などが続いている場合は、登校の問題だけで判断しないことも大切です。
身体的な原因がないか確認するためにも、必要に応じて医療機関へ相談してください。
心の問題だけ、体の問題だけと決めつけず、必要に応じて両方の面から状態を確認することが大切です。
高校生が学校に行きたくないときの対処法

行きたくない理由を整理する
「学校に行きたくない」という気持ちだけでは、何を変えればよいのか分からないことがあります。
友人関係なのか、勉強なのか、部活動なのか、朝の体調なのかを少しずつ整理してみましょう。
原因を一つに決める必要はありません。「いくつか重なっている」と分かるだけでも、対策を考える手がかりになります。
信頼できる人に話す
一人で抱え込むと、不安が大きくなってしまうことがあります。
親、先生、養護教諭、スクールカウンセラーなど、自分が話しやすい相手を探してみましょう。
きれいに説明できなくても構いません。「学校へ行くのがつらい」と伝えることから支援につながる場合があります。
学校への負担を減らす
毎日教室へ行くことだけが方法とは限りません。
利用できる対応は学校によって違いますが、別室での学習や保健室の利用、遠隔授業などについて相談できる場合があります。
学校を完全に離れる前に、現在の環境で負担を小さくできる方法がないか確認することも、一つの選択肢です。
教室に入ること自体が怖くなっている場合は、無理に元の状態へ戻そうとせず、まず何が不安なのかを整理することが大切です。
学校への恐怖感が強いときの考え方については、こちらも参考にしてください。

できることから始める
「明日から毎日登校する」といった大きな目標は、今の状態によっては負担になります。
まずは生活の中でできる小さな行動を考えてみましょう。
「学校へ行けたか」だけを基準にせず、自分の状態に合わせて前進できたことにも目を向けてみてください。
学校に行きたくない高校生に親ができること

まず気持ちを受け止める
「学校に行きたくない」と言われたとき、保護者はすぐに解決策を考えたくなるかもしれません。
しかし、最初から答えを出そうとせず、本人の気持ちを聞くことから始めてもよいでしょう。
「分かってもらえる」と感じられることは、本人が今後のことを考えたり、困っていることを話したりする土台になります。
理由を無理に聞き出さない
本人自身が原因をうまく言葉にできない場合もあります。「どうして行けないの?」と何度も尋ねられると、説明できないことが新たな負担になる可能性があります。
「話したくなったらいつでも聞くよ」と伝えておけば、本人が自分のタイミングで相談しやすくなります。
否定する言葉を避ける
「甘えている」「怠けている」「みんな行っている」といった言葉は、本人をさらに追い詰める可能性があります。
文部科学省も、不登校を問題行動と受け取らないよう配慮することを示しています。
大人から見れば些細に思えることでも、本人には大きな負担になっている場合があります。
まずは現在の苦しさを受け止めましょう。
学校へ行くことを急かさない
「明日は行ける?」「いつから行くの?」と毎日のように確認すると、本人が休むこと自体に罪悪感を持ってしまうことがあります。
単位や進級について確認することは必要ですが、その不安をそのまま本人への登校要求に変えないよう注意してください。
親だけで抱え込まない
子どもの問題だからといって、保護者だけで解決する必要はありません。
学校やカウンセラー、教育相談機関、医療機関などに相談しながら支援の方法を探していきましょう。
保護者自身が一人で抱え込まないことも大切です。第三者の意見を取り入れることで、選択肢が広がる場合があります。
子どもが学校へ行かなくなったとき、保護者も「どうして行かないのだろう」「このままで大丈夫なのだろう」と悩んでしまうものです。
親側の気持ちや対応について考えたい場合は、こちらも参考にしてください。

高校を休み続けると単位や進級はどうなる?
欠席すると単位に影響する
高校では、必要な単位を修得することが卒業につながります。
授業への出席状況も単位修得に関係するため、欠席が増えている場合は早めに学校へ確認することが重要です。
「何日休んだら必ず留年する」と全国共通の数字で判断するのではなく、在籍校の規定に基づいて状況を確認してください。
学校ごとに基準が違う
進級や卒業に必要な条件は、学校の課程や規定などによって異なります。
そのため、インターネット上の一般的な情報だけで「もう進級できない」と判断するのは避けましょう。
学校によって扱いが違うからこそ、早い段階で正確な情報を得ることが重要です。保護者だけで推測しないようにしましょう。
進級への影響を確認する
「このまま休むと進級できるのか」という不安がある場合には、現在の単位の取得状況と今後必要な条件を具体的に確認します。
数字や制度を具体的に把握できれば、「何となく将来が不安」という状態から、現実的な対応を考えやすくなります。
卒業への影響を確認する
進級だけではなく、卒業に必要な単位や在学期間についても確認しておきましょう。
休む期間が長くなれば、学習計画や卒業時期に影響する可能性があります。
卒業への影響が心配なときほど、早めに学校へ相談してください。具体的な状況が分かれば、対応できる余地も見つけやすくなります。
早めに学校へ相談する
欠席が増えてから慌てるより、「学校に行くのが難しくなってきた」と感じた時点で相談しておくほうが安心です。
現在の高校で利用できる支援について確認してみましょう。
令和6年度から、全日制・定時制高校の不登校生徒を対象に、一定の条件のもとで遠隔授業や通信教育による単位修得が可能となっています。
ただし、実施の可否や具体的な方法は学校によって異なるため、在籍校への確認が必要です。
高校生が学校に行けないときの選択肢

今の高校で対応してもらう
転校を考える前に、現在の高校でできる対応を確認する方法があります。
学校によって内容は異なりますが、別室での学習や保健室の利用、遠隔授業などについて相談できる場合があります。
今の環境を少し変えるだけで負担が軽くなるケースもあります。
まず利用できる支援を確認してから、次の選択肢を考えてもよいでしょう。
通信制高校へ転校する
毎日の登校が難しい場合、通信制高校への転校も選択肢の一つです。
通信制高校では、学校ごとに学習方法や登校の頻度、サポート体制などが異なります。
「通信制なら楽」と単純に考えるのではなく、本人が続けやすい学習方法なのかを確認し、学校ごとの違いを比較することが大切です。
転学後の単位を確認する
転校を考える際には、「今まで取得した単位がどうなるのか」という点も重要です。
過去に修得した単位を卒業に必要な単位として認められる場合がありますが、具体的な扱いは転校先などによって異なります。
「今までの努力がすべて無駄になる」と決めつける必要はありません。
具体的な単位の扱いを確認したうえで判断しましょう。
教育支援センターに相談する
自治体によっては、学校へ行きづらい子どもを支援する教育支援センターがあります。
ただし、高校生の受け入れ状況や支援内容は地域によって異なるため、事前の確認が必要です。
教育支援センターは地域によって役割や受け入れ状況が違います。
利用を希望する場合は、自治体へ直接確認してください。
高校生が相談できる場所
担任の先生に相談する
学校生活について具体的に相談したい場合には、担任の先生が身近な窓口になります。
欠席、授業、友人関係、単位など、現在困っていることを伝えてみましょう。
担任には話しにくい場合、無理をする必要はありません。
ほかに相談しやすい先生を探すこともできます。
養護教諭に相談する
保健室の先生である養護教諭も相談先の一つです。
体調面の悩みがある場合や、教室へ行くことが難しい場合には、担任とは違う立場から話を聞いてもらえることがあります。
「先生に相談するのは緊張する」という場合でも、保健室なら話しやすいことがあります。
自分に合う窓口を選びましょう。
スクールカウンセラーに相談する
スクールカウンセラーは、学校生活や人間関係、心の悩みなどについて相談できる存在です。
本人だけでなく、保護者が相談できる場合もあります。
学校へ行けない理由を自分だけで整理できない場合も、第三者と話すことで気持ちや状況を整理しやすくなるでしょう。
教育相談窓口を利用する
学校へ直接相談することが難しい場合には、自治体などの教育相談窓口を利用する方法があります。
文部科学省も、教育委員会などが設置する地域の相談窓口を案内しています。
学校とは別の場所で相談することで、今後の過ごし方や学び方について新しい視点を得られる場合があります。
医療機関に相談する
頭痛、腹痛、めまい、不眠、食欲の変化などが続いている場合は、医療機関への相談も選択肢になります。
体の症状には身体的な原因があることも考えられるためです。
本人の状態に応じて、小児科、内科、心療内科、精神科など、相談先を検討してください。迷う場合は、まず身近な医療機関へ相談してもよいでしょう。
「消えたい」「死にたい」など、自分を傷つけることにつながる言葉が出ている場合は、登校できるかどうかよりも安全の確保を優先してください。
家庭だけで抱え込まず、できるだけ早く医療機関や地域の相談窓口など、専門的な支援につなげることが大切です。
まとめ
高校生が「学校に行きたくない」と感じる背景には、友人関係や勉強、進路、部活動、心身の疲れなど、さまざまな事情があります。
理由を一つに決めつけず、まず本人の状態を知ることが大切です。
休むことを選ぶ場合も、単位や進級について学校へ確認しながら、今の高校で受けられる支援や通信制高校などの選択肢を検討できます。
学校へ行けないことだけで、将来の道がなくなるわけではありません。
本人に合った環境を一緒に探していきましょう。
